1.SMS/MMSとiMessageと+Message
携帯電話で使えるショートメッセージサービスは、SMSからはじまってMMSやiMessage、そして最近は+Messageと種類が増えてきています。これらのサービスの特色を把握しておかないとメッセージが到達しなかったり、さまざまなトラブルに遭遇する可能性があります。
私もAndroidとiPhoneの機種入れ替えなどでトラブルに見舞われたことから一度整理しておこうと思ってここにまとまることにしました。
1.1 SMS
まずは、SMSです。
SMSは、ショートメッセージサービスとしてテキストを携帯電話間で送受信できる仕組みです。その昔の携帯電話ではテキストメッセージを送るのが精一杯です。
ショートメッセージサービス(SMS) | サービス・機能 | NTTドコモそうは言っても、SMSでもURLを送信したり、そのリンクを開いたりということができるようになり利便性の向上が図られています。一方、その利便性を悪用する手口も多く、注意が必要です。
下記のリンクにもありますが、URLを受信した場合は、そのURLがクリックして大丈夫かしっかり確認しておくと安心です。
短縮URLの場合は、ブラウザに短縮URLを入力しその後ろに「+」をつけることで短縮されていないURLを確認できるようになります。これは覚えておくと便利でしょう。
短縮URLとは?SMSで利用するメリットや注意点について解説! – SMS送信サービス「KDDIメッセージキャスト」1.2 MMS
スマードフォンの時代になるとテキストだけではなく、写真や動画も一緒に送信できるようにしたいという要求が出てきてSMSの拡張版としてMMSが登場します。
MMSは、Multimedia Messaging Serviceの略だそうです。
[用語集]「MMS」とは何ですか? | よくあるご質問(FAQ) | サポート | ソフトバンクMMSは、国際的には標準化されていると言っていますが、日本はその標準化より先に各社がサービスインしていたため、混沌とした状況のようです。詳細がお知りになりたい場合は下記のWikipediaなどご参照ください。ここでは相互運用性が悪そうなのでこれ以上は取り上げません。
マルチメディアメッセージングサービス – Wikipedia1.3 iMessage
Appleは、独自のiMessageという端末間で写真や動画を送信できる仕組みをつくりあげています。これは携帯電話だけでなくAppleのデバイス相互の通信手段となっているのでMacやiPad(WiFi)でも利用できます。私はAppleIDが個人用と会社用があり、デバイスも複数あることからどこに何の通知がくるのか混乱しがちで便利なようですが使いこなせていません。
SMSとiMessageの間は、テキストのみが送受信可能となっています。
iMessage送信可能なユーザーの場合は、上記のように青い吹き出しとなり、メッセージ入力欄にも「iMessage」と表示されています。機種変更しても解除を忘れると送信側ではこの表示となり正常にメッセージを送信できなくなります。(「2.1 iMessageでの注意点」をご参照ください。)
AndroidなどのAppleデバイス以外の相手に対しては、緑の吹き出しとなり、メッセージ入力欄は「SMS/MMS」の表示になります。
1.4 +Message
MMSの項で書きましたが、相互運用性が悪いというネックを解消しようという動きがありました。結果して全部の端末で同じメッセージサービスが使えるのが良いよね、ということでdocomo、au、softbankが中心となり+Messageというメッセージサービスを作り上げました。当初はAndroid端末のみが対象でしたが、現在はiPhone用のアプリも登場しています。
+MessageとSMS間はテキストメッセージ、iMessageと+Message間もテキストメッセージのみが送受信可能となっています。
+Messageのアプリ上では、上記のように+Message送信可能な相手には+Messageのマークが表示されます。マークの表示されていない相手にはテキストメッセージのみの送受信となります。
2.機種変更時の注意点
2.1 iMessageでの注意点
iPhoneからiPhoneへの機種変更では特に注意すべき点はありません。
問題となるのはiPhoneから他社のiMessageが使えない機種に変更する場合です。
iMessageは、電話番号で管理されているようです。一度iMessageを使うと、iMessageのネットワーク上で「この番号はiMessageの端末だ」と認識してiMessageで送信可能なマルチメディア系のファイルも送受信可能とします。
しかしiPhoneからAndroidに機種変更したとするとAndroidではiMessageを受信できません。そのためiMessageネットワークからその電話番号を登録解除する必要があります。
iPhone またはオンラインで iMessage の登録を解除する – Apple サポート (日本)機種変更する時点で気がつけば上記手順のようにiMessageをオフにするだけです。
でも意外とこういった手順って忘れがちです。そんな時は、下記のURLから登録解除ができます。
電話番号の登録を削除して iMessage をオフにする – Apple サポートこの登録解除を忘れたことで、いつまでもSMSが到着しないといったことがおこりがちです。ご注意ください。
2.2 +Messageでの注意点
+Messageには注意点があります。AndroidスマホからAndroidスマホに機種変更した場合でも注意が必要です。
元々、+Messageを使っていなかった場合、AndroidスマホだけどSMSしか使っていなかった、あるいはiPhoneからの機種変更で上記2.1のようにiMessageの登録解除済みの場合、これは問題ありません。そのままSMSだけ使っても、新たに+Messageアプリをインストールして使い始めても大丈夫です。
機種変更前に+Messageを使っていた方。機種変更したスマートフォン(AndroidでもiPhoneでも)に+Messageアプリをインストールして使うなら問題ありません。そのまま+Messageが使いつづけられます。
問題なのは「機種変更前は+Messageを使っていたが、機種変更後は+Messageを使わない」場合です。例えば、Androidに機種変更したけど+Messageアプリをインストールしていない場合。iPhoneに機種変更して+Messageは使わずiMessageを使う場合などです。
その場合、「+Messageの登録解除」が必要になります。これを忘れると、2.1でiMessageの登録解除を忘れた場合と同じく、あなたの電話番号はいつまでも+Messageの端末として登録されつづけます。そうなるとSMSのテキストメッセージが届かなくなるのです。
では登録解除はどうしましょう?+Messageアプリから実施します。使わない場合でも(AndroidでもiPhoneでも)一度+Messageアプリをインストールしてから解除を行います。
+Messageを起動すると右下に「マイページ」があります。ここをクリックします。
「マイページ」の中段に「設定」がありますのでここをクリックします。
さらに最下段の「その他」を押します。
やっと「+メッセージサービスの初期化」が出てきます。これを押すことでこの端末の電話番号が+Messageのネットワークから解除されます。
2.3 +Messageでの注意点 その2
+Messageでの注意点はこれだけではありません。
前項の最後に「+メッセージサービスの初期化」を行いましたが、その2項目上に注目です。
「+メッセージの連絡先を更新」があります。+メッセージを使っているかどうかは、どうやら端末にキャッシュされているようです。どのくらいの頻度で更新されるかは不明ですが、この「+メッセージの連絡先を更新」を押すことで相手の電話番号が+メッセージ利用可能か読み込むようです。
ですので、2.2で自分が「+メッセージサービスの初期化」を実施してもメッセージを送る側が「+メッセージの連絡先を更新」していないといつまでも+メッセージの端末として電話番号が登録され続けることになります。
この際、何が厄介かと言えば、送信者にはエラーが通知されなく正常に送信できてしまうことです。そして送信したメッセージはサーバにキャッシュされたままになっている。これでは、どこが悪くてメッセージが届いていないかわからない状態になります。
もうひとつ厄介なのは、この送信者側では、+メッセージ利用者として残ってしまっている電話番号からのテキストメッセージは受信できるということです。私はここではまりました。
ひとまず、はまった点をまとめました。ご参考になれば幸甚です。
3.その後の動き(2022/08/16追記)
この記事を書いてから日をおかず、GoogleがAppleのiMessageを変えるべきだとの投稿を行いました。それが以下の投稿です。
It’s time for Apple to fix texting.メディアでも色々と取り上げられました。
【Infostand海外ITトピックス】GoogleがApple批判キャンペーン メッセンジャー互換性問題 – クラウド WatchiMessageの「緑の吹き出し」に修正を! グーグルがアップルに要求 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)
Androidのチャットを謎変換するAppleの「iMessage」をGoogleが痛烈非難 – GIGAZINE
Appleは、Appleを使うことが特別なものであるとしておきたいので、Appleがこの課題を解決しようとすることはないでしょう。
クラウドWatchで書かれていますが、相互運用性が向上するのが一番重要なポイントです。既存のサービスが対応できないなら、新しいサービスが登場して既存サービスを置き換えてくれることを期待します。
EUの動きなどを含めて、どう動いていくのか興味を持って見ていきたいと思います。